by goose
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しばらくブログの更新が滞ってしまいました。
このところ、釧路川本流中流域に通う毎日で、体力もかなり消耗して体重3キロ減です。 元々メタボなので、好都合といえばそれまでなのだが(笑) 結果、数日間通い詰め、 いったいどれだけ雪の湿原を歩き回ったのだろう? いったい何度、スカジットキャストを繰り返したのだろう? そして、ゼロ!! 一度たりとも魚を掛けることはできなかった。 チビアメすら。 今時期の僕は、釣果云々ではなく単純に楽しいからスカジットシンクティップで重いフライをスイングさせる釣りを好んでいる。去年の今頃は半日で5匹くらいはスイングする僕のフライを低水温でも元気なアメマスが咥えてくれた。アウトリガーを楽しむ人は半日で二桁だとしても僕はそれで十分だった。 地元のエキスパートな友人も僕と似たようなメソッドで冬の釧路川を十分楽しんできた過去を持つが、そんな彼が先日挑むも、やはり鱒からのコンタクトは皆無だったらしい。 ここ数日、釣り場で会うルアーマン達数人に声を掛け話を聞くも、皆揃って釣れないと言う。中には今年の釣れなさは過去に経験がないくらいの異常な貧果だという方も居た。 いつもと変わらずに釣れていると思う方もいるかもしれないが、僕が声を掛けた約10人の釣師は皆揃って釣れないと嘆いていた。 そんな納得のいかない日々をおくる僕のところに、友人から連絡が入った。 「ウライが未だにかかっているらしい!!」 魚が釣れないのは一概にウライのせいだとは思わない、自分の技量の無さもあるし、釣りは運だと常日頃から思っている。 でも、今回は良い機会だと僕は考えるので、このウライ問題について語らせてもらおうと思う。 約2年前に移住してきてからというもの、一番納得がいかないというのか疑問というのか、とにかく知らない人は驚くであろう釧路川にかかるウライについて.........。 「ウライ」とは 採卵用のサケの親魚を捕獲する施設。河川を完全に横断する構造で下流から遡上してくるサケを止め、箱に導いて捕獲するためのもの。 北海道釧路川は、阿寒、釧路湿原の2つの国立公園を縦断する幹川流路延長154㎞、支流を合せると総延長847㎞に及ぶ国内でも類を見ない自然環境に恵まれた河川。特に釧路湿原はラムサール条約の登録湿地に指定され、希少な鳥類をはじめ、絶滅危惧種にも指定されているイトウの生息水域として、人の立ち入ることができない大小の沼や支流が点在し、こうした生物の生息を手付かづの状態で今日まで支えてた。 そんな釧路川には海面の漁業権に基づくサケ・マスの増殖事業実施に伴う、河川での捕獲施設(ウライ)が設置されている。その位置は河口から数キロ上流に位置する、釧路湿原の玄関口となる支流「雪裡川」との合流点付近と雪裡川を1㎞ほど遡った部分の計2カ所に設置されている。設置の期間については、遅くても8月に設置され、例年だと12月初旬に撤去される。 今年は未だに撤去されていないようだが.........。 ウライの構造については、小魚以外の魚類の往来が全て困難になるような鉄格子で河川全幅を遮るものである。混獲魚の取扱いについて、指定魚種以外は基本的には再放流する義務があるということ。 しかし、現場での実態はどうなのか。 現に僕の住む釧路川上流域では、遡上するアメマスの量が、年によって極端に変動していると、地元の仲間達は口をそろえて訴えている。その1つの指標として、8~10月あたりに大型台風の発生があるかどうかに比例しているらしい。これは何を意味するかというと、大型台風が発生して大雨をもたらすと、川の水位が上昇し、ウライ設置箇所では破損の懸念から施設を引上げているのか、若しくは、施設が冠水するなどして、冠水期間だけ自由に魚が遡上できる状態となるのか、いずれにしてもどちらかによってサケ、カラフトマス、アメマスなど、こうした年だけは様々な魚類が中、上流部まで遡上し、とても豊な河川環境となる。その他もろもろ考慮しても決して混獲された魚を上流部へ放しているとは思えない疑問が沸いてくる。 絶滅危惧種であるイトウだが、この魚は5月のゴールデンウィークあたりに産卵の最盛期を迎える。産卵可能な大型魚はほとんど海と行き来していると思われるし、道内のイトウ生息で有名な道北の猿払川でも10月中旬あたりから産卵のため上流部を目指して徐々に海から遡上を開始する。 このことからすると、猿払川よりも延長の長い釧路川では、もっと早く遡上する可能性もあり、当然、このウライ施設で足止めされたうえに捕獲されてしまうとおもわれる。 大変興味深いことに、道内でのイトウ固体の分布数はウライの有無と密接に関連があるように思える。 例えば、イトウの個体数が多い猿払川や別寒辺牛川などでは、もともとウライが無いか、かなり昔からウライの設置はないので、一定数が保たれているものと思われる。 脱ダムもイトウ保護のためには大きな課題だが、親魚さえ遡上させてくれれば、釧路川流域には人間の知らない産卵場はまだまだあるので、それ以前の河川の入口から親魚を遡上させないような施設が存在するということが致命的である。 アメマスにしても、釧路川よりも明らかに規模の小さな河川環境である、近隣の茶路川や音別川の方がサイズ量共に圧倒的に勝るという現実も、実におかしな話だ。 両河川ともに、ウライは無い。 現在、阿寒国立公園エリアなどを世界自然遺産の候補地として申請するような動きが、官民で行われ始めたという情報をニュースで知った。 この釧路川は上流の屈斜路湖に通じる間にダムや堰はなく、自由に魚が往来できる国内でも希少な河川だ。僕はそんな環境に魅了されてこの地に移住してきた。 この希少な河川において、人目につかないところで、野生動物(混獲魚類)を1年の約半分もの間淘汰してきた歴史があるということが残念でならない。 このような実態が2つもの国立公園を縦断する河川にあるとしたら、本当に世界に誇る自然遺産になり得るのか!! こんな施設が日本の主要河川に設置されていることを世界の研究者や世界遺産を指定される立場の方が知ると、とても驚くことであるだろうし、日本人として恥ずべき事と思う。 このウライが見直されることで、上流部の釧路湿原や屈斜路湖、また、河川内の環境は大きく改善し、イトウ、その他の魚類の分布に関しても安定するものと思われる。 釣りをしない方々がコレを読んだならば、 魚が釣りたいから言ってるだけでしょ?と思うのか。 でも僕は、そうですその通りです、釣り人ですから、と素直に言う。 魚を釣ること自体が自然破壊だとまで言われれば、返答しようが無いけど。 しかし、僕ら釣り人が居るからこそ自然環境が保たれているエリアは世界中に沢山存在していることは確かだ。 バーブレスフックを使ったキャッチアンドリリースは当たり前になったこの時代だが、自然の中で遊ばせて貰っている僕ら釣り人にしか気がつかない事、出来ないことがある。 時代はどんどん進む、僕らも自分達の楽しみをこの先続けていく為には、行動しなければいけないと思う。 この深刻な問題を僕達釣り人で盛り上げていく為にも、今回はコメント遠慮なくお気軽にどうぞよろしくお願いいたします。
by goosesato
| 2013-02-07 22:37
| フライフィッシング
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